2023年12月25日
僕個人の気持ちとお店側としてのスタンス
昨日の午前中に長期に渡ってお預かりしていた
CB400Fオーナーが久しぶりにご来店され
不動車コーナーに安置されている車両を引き取る計画を
ご相談にご来店下さり、来春中には車検整備を行う事など
ザックリと予定を立てて、継続してCB400Fに乗る体制を
整える事になると思いますし、事情も分かって居り
信頼出来る方なので僕は何も思って居ないのですが、5年近く？
放置されて仕舞っている車両の状態の方が心配です。
恐らくキャブはダメだろうし、ブレーキもダメでしょう。
せっかくここまで費用を掛けてカスタムしてある車両ですが
乗って居ない期間が長過ぎるので、再始動させるにも
ちょっと大変かも知れない事が気掛かりになります。
それよりも、先週電話を入れ今日明日中に引取りに来る約束の
車両の方が邪魔なので、何より約束を守らない方は
お互いの信頼関係は構築出来ない方で、後々トラブルへと
発展するパターンが多く、そもそも他所のショップで揉めて
CPに駆け込んで来たと言う経緯もある事から
個人的なトラブルは好物なので何とも思いませんが
お店側としてはトラブルに巻き込まれる事は避けたいと思っており
これがラストチャンスと言うと、周りから優し過ぎると言われるので
お店としてのスタンスはしっかりと決める事にします。
神奈川F様CB400エンジン分解
歳跨ぎは確実なのですが、昨日からエンジンO/H準備を始め出した
神奈川F様CB400エンジンO/H計画が始動！
まずはエンジンを始動させて、今の状態を
チェックしようと思ったのですが、何か
セキュリティっぽい装置が取り付けてあり
イグニッションをONしても電源が入らない…。
これは困ったなぁ…と思いつつ、そう言えば！
と思い出したのが、バッテリーの−側を
取り外して発送すると言って居た事を思い出し
バッテリーを接続して、無事にエンジン始動ｗ
白煙が出たので、オイル下がりか？と言う
感じと、エンジン音も余りよろしく無く
オイル滲みもある様で、ドレンボルトに雫が…。
エンジンの状態は大体理解出来たので
エンジンオイルを抜くと、負圧になっており
オイルが下りて来ないので、レデューサーは
確か組み付け用部品箱に入っていたので
何か別のバルブが入って居るのだろう。
オイルフィラーキャプからエアーを入れて
オイルを一晩掛けて抜き切って仕舞い
昨日の作業準備はここまでで終了でした。
で、今日から本格的にエンジン分解作業に！
まずは仮付けされている純正マフラーを取り外し
オイルパン、オイルフィルターケースを取り外し
腰下L,Rのカバー類を取り外して仕舞います。
オイルパンを取り外すと、まず第一の異音原因
プライマリチェーンをチェックすると、これがまた
かなりガタガタのビロンビロンに伸びており
エンジンを掛けた時の主となる音はこれが原因。
オイルパン内には特に異物は無く、長年の間に
蓄積されたであろう、スラッジが溜まっており
特にセパレーターは下地の鉄板色が見えない。
それでもまだスラッジとしては少ない方かも。
カバー類を外すと殆どのビス、ボルト類は
締め付けトルク不足だったのですが、至る所に
オーナーがこの車両のボルト一本、ナット一個
全てを大事にしている拘りも感じられました。
しかし、セルモーター端子の締め付けは完全に
緩んでいたので、ターミナルカバーでかろうじて
脱落しなかったレベルなので、余計なトラブルを
起しかねないので、今後トルク管理方法は
ちゃんと行った方が良いと思います。
取り外した部品の9割方はトルク不足でした。
これでL側の部品取外しは全て完了です。
次はR側カバー類や付属部品を取り外します。
ガバナ締め付けボルトM6×55だけ何故か
折れるんじゃないかって言う位過剰トルクだった。
クラッチのリフターを取り外すと違和感が…
ロックナットから出ているメインシャフトの
ねじ山がかなり飛び出て居るので、あぁアレだ…
やっぱり皿バネが不在でした…これは困ったねぇ。
こう言った貴重な絶版部品が無いとなると
某Yオクでもこれだけなんて手に入らないので
一式中古部品を購入しないといけなくなる…。
強化セカンダリギアーが取り付いているのですが
ここも締め付けトルク不足…ここが緩むと
最終的に何処が壊れるのかは周知の事ですね…。
よく見るとポジティブストッパーの角が
折れて、ネガティブストッパーになってました。
ここが折れると、シフトアップ時にギアー抜けが
多くなりますので、シフトアップ時のギアー抜けが
多い車両はこの角が折れて居ると思って下さい。
これでL,R共にカバー類などの取り外しが完了。
IGCを取り外して、腰上分解に取り掛かります。
何時も通りサクサクっと分解作業をしてますが
エンジン分解時の部品観察は意外と重要です。
CB400Fourあるあるで#3のプラグコードの
取り回しですが、タコメーターワイヤーの下を
通している車両はかなり多く見受けられますが
正解はこの様にタコメーターワイヤーの
上から回して差し込む事が正解になります。
この方がタコメーターワイヤーが邪魔にならず
プラグキャップの抜き差しが簡単で作業性も良い。
純正キャブレターを取り外して
ブリーザーカバー、ヘッドカバー取り外し。
どちらのボルトもクロームメッキ仕様ですが
締め付けトルク不足で緩んでいました…。
しかも数か所はねじ山が上がっていたのは残念。
カムは当時物量産型ハイカムst1が入っており
状態としては悪くない状態、因みにこのヨシムラの
量産型ハイカムst1の試作品、元データーになる
ハイカムを僕の宝物庫に隠し持っていますｗ
プラグを取り外しチェックをするのですが
純正キャブMJが濃い？真っ黒、締め付けトルクも
不足で緩く、クラッシュワッシャーが潰れて無い。
シリンダーヘッドのねじ山上りは取り合えず
目に見える所はこの二ヵ所がダメでしたが
ヘッドカバーの締め付けトルク不足が多く
まだねじ山上りが隠れているかも知れません。
どうやらこのエンジン、一度フルO/Hされており
ヘッドガスケットは多分B社製だったので
色々と不安を感じましたし、カムチェーンも
中々外れなかったので、点火時期は進んでいたかも
更にヘッドバルブは恐らくですが見た目では
BIGバルブの様に思えるのですが、ハイカムが
st1なので、オーバーラップも少なくしかも
B社製ヘッドガスケットだった事、エンジンは
398ccベースなので、447ccになるのですが
点火時期のズレなども合ったとすれば、余り
調子は良くなかったんじゃぁ無いのかと思います。
シリンダーライナーですが、クロスハッチは消え
全体的に縦傷が多くみられる事が気になります。
ボア径を測定してみますが、ピストンが
POP.Yマークなので、54.0Φのピストン。
ピストンリングはCPで、ヨシムラと互換性がある
ピストンリングを作ったので、問題はありません。
ピストン本体にはスカッフが少なく、非常に
状態が良いので、測定結果次第ではスリーブ
ライナーを交換して使う可能性もあります。
流石にピストンリングは摩耗しており、特に
セカンドリングは完全に摩耗しているので
オイル上がりもあったと思います。
トップもかなり摩耗しているのが分かりますね。
と言う事で、腰下をフレームから下す準備も
整ったので、エンジンを下してから
腰下の分解をやるのですが、この時点で時間は
まだ14時30分なので、直ぐにでも分解出来ますが
期待はしていませんが、ひょっとしたら今日
車両の引取りに来るかも知れないので
取り合えず何時も通り、エンジンどーん！
これで取り合えずPITの後片付けをして
引取り納車は出来る様にして、閉店まで待つ事にします。
下手に作業中に引取りに来られても、片付けるのも面倒だし
やる気も削がれるからねぇ…本日はこれにて終了です。
CB400Fオーナーが久しぶりにご来店され
不動車コーナーに安置されている車両を引き取る計画を
ご相談にご来店下さり、来春中には車検整備を行う事など
ザックリと予定を立てて、継続してCB400Fに乗る体制を
整える事になると思いますし、事情も分かって居り
信頼出来る方なので僕は何も思って居ないのですが、5年近く？
放置されて仕舞っている車両の状態の方が心配です。
恐らくキャブはダメだろうし、ブレーキもダメでしょう。
せっかくここまで費用を掛けてカスタムしてある車両ですが
乗って居ない期間が長過ぎるので、再始動させるにも
ちょっと大変かも知れない事が気掛かりになります。
それよりも、先週電話を入れ今日明日中に引取りに来る約束の
車両の方が邪魔なので、何より約束を守らない方は
お互いの信頼関係は構築出来ない方で、後々トラブルへと
発展するパターンが多く、そもそも他所のショップで揉めて
CPに駆け込んで来たと言う経緯もある事から
個人的なトラブルは好物なので何とも思いませんが
お店側としてはトラブルに巻き込まれる事は避けたいと思っており
これがラストチャンスと言うと、周りから優し過ぎると言われるので
お店としてのスタンスはしっかりと決める事にします。
神奈川F様CB400エンジン分解
歳跨ぎは確実なのですが、昨日からエンジンO/H準備を始め出した
神奈川F様CB400エンジンO/H計画が始動！まずはエンジンを始動させて、今の状態を
チェックしようと思ったのですが、何か
セキュリティっぽい装置が取り付けてあり
イグニッションをONしても電源が入らない…。これは困ったなぁ…と思いつつ、そう言えば！
と思い出したのが、バッテリーの−側を
取り外して発送すると言って居た事を思い出し
バッテリーを接続して、無事にエンジン始動ｗ白煙が出たので、オイル下がりか？と言う
感じと、エンジン音も余りよろしく無く
オイル滲みもある様で、ドレンボルトに雫が…。
エンジンの状態は大体理解出来たのでエンジンオイルを抜くと、負圧になっており
オイルが下りて来ないので、レデューサーは
確か組み付け用部品箱に入っていたので
何か別のバルブが入って居るのだろう。オイルフィラーキャプからエアーを入れて
オイルを一晩掛けて抜き切って仕舞い
昨日の作業準備はここまでで終了でした。
で、今日から本格的にエンジン分解作業に！まずは仮付けされている純正マフラーを取り外し
オイルパン、オイルフィルターケースを取り外し
腰下L,Rのカバー類を取り外して仕舞います。
オイルパンを取り外すと、まず第一の異音原因プライマリチェーンをチェックすると、これがまた
かなりガタガタのビロンビロンに伸びており
エンジンを掛けた時の主となる音はこれが原因。
オイルパン内には特に異物は無く、長年の間に蓄積されたであろう、スラッジが溜まっており
特にセパレーターは下地の鉄板色が見えない。
それでもまだスラッジとしては少ない方かも。
カバー類を外すと殆どのビス、ボルト類は締め付けトルク不足だったのですが、至る所に
オーナーがこの車両のボルト一本、ナット一個
全てを大事にしている拘りも感じられました。
しかし、セルモーター端子の締め付けは完全に緩んでいたので、ターミナルカバーでかろうじて
脱落しなかったレベルなので、余計なトラブルを
起しかねないので、今後トルク管理方法は
ちゃんと行った方が良いと思います。取り外した部品の9割方はトルク不足でした。
これでL側の部品取外しは全て完了です。
次はR側カバー類や付属部品を取り外します。
ガバナ締め付けボルトM6×55だけ何故か折れるんじゃないかって言う位過剰トルクだった。
クラッチのリフターを取り外すと違和感が…
ロックナットから出ているメインシャフトの
ねじ山がかなり飛び出て居るので、あぁアレだ…やっぱり皿バネが不在でした…これは困ったねぇ。
こう言った貴重な絶版部品が無いとなると
某Yオクでもこれだけなんて手に入らないので
一式中古部品を購入しないといけなくなる…。強化セカンダリギアーが取り付いているのですが
ここも締め付けトルク不足…ここが緩むと
最終的に何処が壊れるのかは周知の事ですね…。
よく見るとポジティブストッパーの角が折れて、ネガティブストッパーになってました。
ここが折れると、シフトアップ時にギアー抜けが
多くなりますので、シフトアップ時のギアー抜けが
多い車両はこの角が折れて居ると思って下さい。これでL,R共にカバー類などの取り外しが完了。
IGCを取り外して、腰上分解に取り掛かります。
何時も通りサクサクっと分解作業をしてますが
エンジン分解時の部品観察は意外と重要です。CB400Fourあるあるで#3のプラグコードの
取り回しですが、タコメーターワイヤーの下を
通している車両はかなり多く見受けられますが
正解はこの様にタコメーターワイヤーの上から回して差し込む事が正解になります。
この方がタコメーターワイヤーが邪魔にならず
プラグキャップの抜き差しが簡単で作業性も良い。
純正キャブレターを取り外してブリーザーカバー、ヘッドカバー取り外し。
どちらのボルトもクロームメッキ仕様ですが
締め付けトルク不足で緩んでいました…。
しかも数か所はねじ山が上がっていたのは残念。カムは当時物量産型ハイカムst1が入っており
状態としては悪くない状態、因みにこのヨシムラの
量産型ハイカムst1の試作品、元データーになる
ハイカムを僕の宝物庫に隠し持っていますｗプラグを取り外しチェックをするのですが
純正キャブMJが濃い？真っ黒、締め付けトルクも
不足で緩く、クラッシュワッシャーが潰れて無い。
シリンダーヘッドのねじ山上りは取り合えず目に見える所はこの二ヵ所がダメでしたが
ヘッドカバーの締め付けトルク不足が多く
まだねじ山上りが隠れているかも知れません。
どうやらこのエンジン、一度フルO/Hされておりヘッドガスケットは多分B社製だったので
色々と不安を感じましたし、カムチェーンも
中々外れなかったので、点火時期は進んでいたかも
更にヘッドバルブは恐らくですが見た目ではBIGバルブの様に思えるのですが、ハイカムが
st1なので、オーバーラップも少なくしかも
B社製ヘッドガスケットだった事、エンジンは
398ccベースなので、447ccになるのですが点火時期のズレなども合ったとすれば、余り
調子は良くなかったんじゃぁ無いのかと思います。
シリンダーライナーですが、クロスハッチは消え
全体的に縦傷が多くみられる事が気になります。ボア径を測定してみますが、ピストンが
POP.Yマークなので、54.0Φのピストン。
ピストンリングはCPで、ヨシムラと互換性がある
ピストンリングを作ったので、問題はありません。ピストン本体にはスカッフが少なく、非常に
状態が良いので、測定結果次第ではスリーブ
ライナーを交換して使う可能性もあります。
流石にピストンリングは摩耗しており、特にセカンドリングは完全に摩耗しているので
オイル上がりもあったと思います。
トップもかなり摩耗しているのが分かりますね。
と言う事で、腰下をフレームから下す準備も整ったので、エンジンを下してから
腰下の分解をやるのですが、この時点で時間は
まだ14時30分なので、直ぐにでも分解出来ますが
期待はしていませんが、ひょっとしたら今日車両の引取りに来るかも知れないので
取り合えず何時も通り、エンジンどーん！
これで取り合えずPITの後片付けをして
引取り納車は出来る様にして、閉店まで待つ事にします。
下手に作業中に引取りに来られても、片付けるのも面倒だし
やる気も削がれるからねぇ…本日はこれにて終了です。
